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電車に網タイツのようなタンクトップを着た大男

グランドセントラル駅で電車に乗り込むと、
ブラックの姉さんが棚の上に荷物を置いた。

とたんに水がポトリと落ちてきた。

ので、「あれ?水が落ちてきたんだけど」と言うと、

「私のバッグの中には濡れたものは入ってないから、棚が濡れてるのかしら」と一言。

「そうね、冷房が入ってるし」と私。姉さんを疑ったことをちょっと悪かったかなって思っていた。

でも、水が落ちてきたのは私の服の上。なんだか冷房の水とかって思うと気持ち悪いし。

ところが、ここがアメリカ人。まったく謝るなんてことはない。
日本人だったら、棚が濡れてるのは自分のせいじゃないけど、自分の置いた荷物のせいで
水滴が落ちてんだから、とりあえず謝ると思う。

しばらく座って本を読んでいたら、また一滴。

「席を移動するわ」と私は移動した。

電車が動き出して、すぐに眠気がおそってきて寝ていた。

一瞬目がさめた。

ドアの向こうに
身長2メートル近くあるプロレスラーでもいけるガタイのよい黒人の兄さんが、網タイツのような網目の
タンクトップを着てウロウロしているのが見えた。

タンクトップの下には、黒いブラジャー。

天女のようにクルりと頭のてっぺんで丸く結っている金髪のウィッグに、なぜか
ジムで兄さんたちがバーベル持ち上げるときにつけるレザーの手袋。

なんて悪夢を見てんだろう?って、
ハッと驚いた。私はまだ寝ているのだろうかと思い目を見開いた。

兄さんのつけまつ毛も、ドアからシート5つ分くらい離れているのに、
くっきり見える。バサバサと兄さんがまばたきするたびに、こっちまで空を飛べるんじゃないかって思うほど。

そんなスゴイ衣装をつけてる男がいるっていうのに、いつもと変わらぬすまし顔の客。

思わず隣のオヤジに「あそこにキレイな人が立ってますよね?」と確認したくなったほど。
もしかして私は幻覚を見ているのか。

アジア系のおばちゃん車掌が、兄さんと楽しげに話をしていた。
女のような格好をしていても、野太い声がガラス越しに聞こえてくる。

上半身しか見えないので、下半身がとても気になる。

駅まであと5分、3分、2分。。。気になる、気になる、とっても気になる。

やっと着いた。みんなが何もないように、立ち上がり、兄さんの前を横切っていく。

私も、ガン見しそうになったけど、何気なく
うつむいて兄さんの足元をガッツリ見た。

コミックブックの絵柄がプリントされているタイツ。そして黒い下着がくっきり見えている。

一日の仕事を終えて、そそくさと家路を急ぐ人々はいつものように電車を降りる。

アメリカってやっぱ大きい国だなーって気がする。
こんな兄さんいたら、ぜったいに日本だとチラチラ見ると思う。

本当に、誰一人として兄さんに好奇な目を向けないのだ。

私だけ。。。は、見てたけどね。

やっぱーアメリカのドラッグクィーンは迫力だ。

しかしこんなに誰からも好奇の目を向けられないなんて、
今更ながらアメリカって自由を楽しめる国なのだなーってつくづく思った。

私も高齢になればなるほど
好き勝手なスタイルをしてもよいのではないだろうか?と思ってきた。

しかしどんなスタイルを自己主張として自分がやりたいのか、よく今はわからない。
若いころは、あんなに奇抜なヘアースタイルをしてみたり、謎の服をいつも着ていたというのに。

いっそのこと和服で毎日ウロウロしてみてはどうだろうか。ドラッグクィーンより目立つかも。

子供たちのために書いた小説ガザミとカイ。早く日本語の本も
読めるようになるかな。
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