ルールを破る子供たちにどう対応するべきか
少し仕事がおそくなって、ダッシュで車から降りて玄関をあけた。
いつも子供たちは私が帰ってくると、バタバタと様子が変わっていた。
どうやらゲームしているのを隠していたようだ。
ところが今日は、
ブラインドが開いていて、デニスがゲームしている姿が見えた。
私が家に入ると、なにもなかったようにデニスはラップトップを閉じた。
「デニス、今、ゲームしてたでしょ。ブラインドあいてたから見えたよ。
ゲームは金曜日から週末だけだよね?
約束じゃなかったっけ」
私も腹が立って怒鳴ってしまったからか、
デニスは、「クラスの子たちから、ゲームを毎日やらせてもらえないなんて、
そんな自由のない家庭はめずらしいって言われた」と泣きながら言った。
「だからって、家はほかの家のルールに従うわけにはいかないから。ほかの人が
やってるからって何でも家が真似する必要はないでしょ」
「携帯を持ってないのもクラスで僕だけなんだよ」
「携帯を持ってる持たないは別の話でしょ。
なんだか最初のゲームをやるやらないの話からズレてるけど」
デニスはますます感情的になっているし、自分だけが他の子と
違う環境で育てられていることに腹を立てているようす。
私との約束を守らなかったことへの反省はまったくなさそうだ。
こんな時にギャーギャー私がわめいても、なにも入っていかなそうなので
もっと落ち着いたときに話をすることにした。
犬のオシッコのしつけは、その時にやらなければ意味がないって言うけど、
子供のしつけは、感情的になってる時だと反感をかうばかりで
まったく聞いてないことが多い。
それは、私も子供のころから、デニスのような性格だったので
よくわかる。
今、自分が考えていることが正義で、それ以外は聞き入れようとしない。
その自分の正義を通すために、あらゆる方向から理論だてていくのだ。
教師のような大人に叱られても、まったく身にならなかった。
いったん感情がやわらいでから、ちゃんと話をしてもらえると、なんとなく
教師も人間なんだなぁと落ち着いて話を聞くことができた。
もちろん絶対服従ではなく、教師にも譲歩してもらった部分がたくさんあっての話だが。
いろいろと討論した結果、
これまでのルールは変えないが、週末にはゲームやり放題というルールを子供たちは
勝ち取った。
もはやどれだけやめさせようとしても、すでに週末はゲーム漬けになっている。
大人はソーシャルネットワーク。
子供同士のコミュニケーションはゲームってのが今の時代なのだから仕方ないのか。
「お母さんは、ゲームを全面的に禁止って言ってるわけじゃなくて、
ルールを守らなかったことに対して怒ってるんだよ。ちゃんと約束は守ろうよ」と
デニスに諭した。
とはいえ大人がルールを決めても、子供はそれをやぶる。子供はそうやって成長していくのだ。
やぶれないような子供のほうが、実際はヤバいと思う。
しかしルールはルールなのだから、それを守ることを教えていく必要はある。
なぜなら
学校のルールも、会社のルールも、社会のルールも破る人たちがいるから
退学があり、解雇があり、刑務所へ行くというペナルティーが用意されているわけで。
話がルールからは少しズレるけど、
それぞれの社会的なルールに違反しなくても、目に見えないルールを常識とするならば、
人間は、その常識をくつがえして生きてる人のほうが多いと思う。
実は大人になっても鼻くそを食べている。とか、
夜中にマヨネーズをチューブから飲んでいる。とか、
隠れて酒を飲んでいる。とか、
こっそり女装している。
こっそり男装している。
こっそりコスプレしている。とか、
浮気している。とか
人の前では言えないような、ありとあらゆる秘密をもって生きている大人が大勢いるのだ。
ならば人間が生きていく上で、最低限守るべきルールって、なんだろう?
私はキリスト教徒ではないけど、昨日見た映画UNCONDITIONALで考えさせられた。
この映画の中で、主役の黒人男性が、刑務所の中で彼を最初に助けてくれた白人の老人に、
後になって「この男(白人の老人)に唾を吐きかけろ」と他の黒人らから攻めよられるシーンがあった。
しかし彼は命がけでそれをやらなかった。
どんな状況においてでも、自分自身のもつ尊厳を守ることが大切なのだ。
子供たちが小さなルールは変えていってもいいけど、私の考える
人間としての尊厳だけは教えておきたいと思う。
弘恵ベイリーTwitter

NYジャピオン「35歳だった」を執筆中
NYで活躍する日本人エンターテイナーを応援するサイトNY1PAGEもよろしく!
http://ny1page.com
いつも子供たちは私が帰ってくると、バタバタと様子が変わっていた。
どうやらゲームしているのを隠していたようだ。
ところが今日は、
ブラインドが開いていて、デニスがゲームしている姿が見えた。
私が家に入ると、なにもなかったようにデニスはラップトップを閉じた。
「デニス、今、ゲームしてたでしょ。ブラインドあいてたから見えたよ。
ゲームは金曜日から週末だけだよね?
約束じゃなかったっけ」
私も腹が立って怒鳴ってしまったからか、
デニスは、「クラスの子たちから、ゲームを毎日やらせてもらえないなんて、
そんな自由のない家庭はめずらしいって言われた」と泣きながら言った。
「だからって、家はほかの家のルールに従うわけにはいかないから。ほかの人が
やってるからって何でも家が真似する必要はないでしょ」
「携帯を持ってないのもクラスで僕だけなんだよ」
「携帯を持ってる持たないは別の話でしょ。
なんだか最初のゲームをやるやらないの話からズレてるけど」
デニスはますます感情的になっているし、自分だけが他の子と
違う環境で育てられていることに腹を立てているようす。
私との約束を守らなかったことへの反省はまったくなさそうだ。
こんな時にギャーギャー私がわめいても、なにも入っていかなそうなので
もっと落ち着いたときに話をすることにした。
犬のオシッコのしつけは、その時にやらなければ意味がないって言うけど、
子供のしつけは、感情的になってる時だと反感をかうばかりで
まったく聞いてないことが多い。
それは、私も子供のころから、デニスのような性格だったので
よくわかる。
今、自分が考えていることが正義で、それ以外は聞き入れようとしない。
その自分の正義を通すために、あらゆる方向から理論だてていくのだ。
教師のような大人に叱られても、まったく身にならなかった。
いったん感情がやわらいでから、ちゃんと話をしてもらえると、なんとなく
教師も人間なんだなぁと落ち着いて話を聞くことができた。
もちろん絶対服従ではなく、教師にも譲歩してもらった部分がたくさんあっての話だが。
いろいろと討論した結果、
これまでのルールは変えないが、週末にはゲームやり放題というルールを子供たちは
勝ち取った。
もはやどれだけやめさせようとしても、すでに週末はゲーム漬けになっている。
大人はソーシャルネットワーク。
子供同士のコミュニケーションはゲームってのが今の時代なのだから仕方ないのか。
「お母さんは、ゲームを全面的に禁止って言ってるわけじゃなくて、
ルールを守らなかったことに対して怒ってるんだよ。ちゃんと約束は守ろうよ」と
デニスに諭した。
とはいえ大人がルールを決めても、子供はそれをやぶる。子供はそうやって成長していくのだ。
やぶれないような子供のほうが、実際はヤバいと思う。
しかしルールはルールなのだから、それを守ることを教えていく必要はある。
なぜなら
学校のルールも、会社のルールも、社会のルールも破る人たちがいるから
退学があり、解雇があり、刑務所へ行くというペナルティーが用意されているわけで。
話がルールからは少しズレるけど、
それぞれの社会的なルールに違反しなくても、目に見えないルールを常識とするならば、
人間は、その常識をくつがえして生きてる人のほうが多いと思う。
実は大人になっても鼻くそを食べている。とか、
夜中にマヨネーズをチューブから飲んでいる。とか、
隠れて酒を飲んでいる。とか、
こっそり女装している。
こっそり男装している。
こっそりコスプレしている。とか、
浮気している。とか
人の前では言えないような、ありとあらゆる秘密をもって生きている大人が大勢いるのだ。
ならば人間が生きていく上で、最低限守るべきルールって、なんだろう?
私はキリスト教徒ではないけど、昨日見た映画UNCONDITIONALで考えさせられた。
この映画の中で、主役の黒人男性が、刑務所の中で彼を最初に助けてくれた白人の老人に、
後になって「この男(白人の老人)に唾を吐きかけろ」と他の黒人らから攻めよられるシーンがあった。
しかし彼は命がけでそれをやらなかった。
どんな状況においてでも、自分自身のもつ尊厳を守ることが大切なのだ。
子供たちが小さなルールは変えていってもいいけど、私の考える
人間としての尊厳だけは教えておきたいと思う。
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NYでフリーランスのライターを続けながら、NYで活躍するアーティストを応援するNY1page.comを運営。弘恵ベイリーのプロフィール執筆依頼aluchu@aol.comへ
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