第4回ニューヨーク・ジャパン・シネ・フェス トを観に行ってきた
NY1PAGにもアップしたけど、ここにも記事を張っておこう。。。
もうちょっとブログチックな内容です。
ニューヨーク・ジャパン・シネ・フェス トを観に行ってきた。
四本観たが、それぞれにメッセージがあって素晴らしかった。
平柳敦子監督「Oh Lucy」は、桃井かおりさん演じる、人生に絶望的な定年間近のOLである主人公が、
突然行くこととなった英会話クラスによって、生き方が少しだけ変わるというストーリー。
私の個人的な視点だが、桃井さんが主演だと、どうしても桃井さんの個性が強すぎて
彼女がゆるくてもそれはそれでOKみたいな、桃井ワールド的仕上がりになる。
しかし、この作品では桃井さんが、英会話の先生に影響されたりする立場に置かれいて、
これまでのイメージがくつがえされるものだった。
エマ・ライアン・ヤマザキ監督の「Monk by Blood」は、
米国に生まれ育った若者が家族が引き継いで来た京都で寺に僧侶として新しい人生を始めるドキュメンタ リー
なのだけど。今の日本の仏教伝承にも通じる話だなと思った。
きっと日本にいる僧侶たちの中にも、AKBにはまっているって人もいるわけで。
こうした血筋として僧侶を継承すべき立場に生まれた人にとっては、現代はもっと昔よりも音楽、芸能、ゲーム、
ITの世界と身近に楽しい誘惑も多い。
「土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし 買うを見た よさこい よさこい」のよさこい節のように
女性関係について描かれていた民謡の時代に生きた僧侶よりも、手放しに楽しいことが多いから、さらに
僧侶としてだけの世界を生きるには過酷かもしれない。
映画に出てきたアメリカ育ちの僧侶は、
俗世間にも属する自分と、僧侶である自分との共存をはかるため、寝る時間を惜しんでどちらも抜かりなく
活動している。
化粧をしてママのドレスを着て、女性の恰好をしたがる男の子を描いた相川はづき監督「Reflection」は、
NYのゲイやトランスジェンダーに対するママの苦悩や周囲の対応をリアルに描いた作品だ。
私がまず疑問だったのは、「なぜ日本人の監督ならば、キャストを日本人にしなかったのか?」と、いうところ。
会場での質疑応答で、アメリカ人からも同質問を受けていた。
相川監督は「日本の社会はまだまだアメリカより、トランスジェンダーやゲイに対して社会的な立場の
確立がおくれているから」といったことを説明していた。
(※以下ネタばれなので、映画を観たい方はご注意ください)
私がどうしても気になったのは、映画の中で「私の兄もゲイなのよ」って、女の子の恰好をしたがる男の子の母親に
ママ友が言った部分。直接、相川監督に聞いてみた。
というのも、実際、私もこれをNY郊外の地元の学校で経験したことがあるからだ。
私の双子の娘たちが男の子のスタイルにはまってた時期があって、夏休み後に髪をばっさり切って、
まるっきり男の子の恰好で学校へ行ったことがあった。
私もノリで、あやをアレックス、エリカをエリックと呼んでたほど。このノリから、私がトランスジェンダーに対して
そんなに苦悩していないことは読み取れると思う。
夏休みが終わり、すぐさま学校の心理カウンセラーに呼ばれて、カウンセリングへ行った。
カウンセラーは、「自分の兄もゲイなので、こうしたことに違和感をおぼえることはない。
しかし、周りの子供たちを動揺させるので、やはり学校側としては、やめてほしい」って、言った。
その言葉を聞いた時、私は彼女の言葉をこうした堅実な社会的立場にいる人でも、ゲイに対して
オープンなのだと好意的に受けとった。
うちの娘たちは、その時、流行っていたパツパツのお尻に食い込みそうなガーリーなパンツのスタイルが
苦手で、ダボダボの男の子のパンツをはいてただけなので。
「では、Tシャツを女の子っぽいものにして、パンツは男の子用のままでもいいですか?」ということで、決着が
ついた。
映画では、ママ友が好意的に「自分のブラザーもゲイなの」と言ってくれたシーンで、主人公のママが
「うちの子は、ゲイじゃないの」って、抑圧的に反論するところはちょっと行き過ぎかなと思ったのだ。
監督によると、トランスジェンダーとゲイの違いというか、そういうあいまいな境界を描きたかったということもあり、
作品の中で母親は、自分の息子はゲイとはまた違うといった部分を主張したかったからなのだとか。
映画の最後には、あるがままの息子を受け入れようとママが決めるところで終わる。
子供をどういう風に育てるべきなのかというのは、現代はいろいろと社会の寛容がある分、かえって
親としての選択が難しくなっていると思う。
たとえば性差にしても、男の子はショートヘアで、活発であるべき。女の子はロングヘアでスカートをはいて
おしとやか。っていう基本のようなノリが基本でなくなりつつある。
こんなにいい作品が世の中にはたくさんあるのに、インディペンドな映画って注目されていないのが
残念だって、いつもこの映画祭にて思い知らされる。
NY1PAGE ヨン様風な甘いマスクのギタリスト榎本大介の音楽は最高!
もうちょっとブログチックな内容です。
ニューヨーク・ジャパン・シネ・フェス トを観に行ってきた。
四本観たが、それぞれにメッセージがあって素晴らしかった。
平柳敦子監督「Oh Lucy」は、桃井かおりさん演じる、人生に絶望的な定年間近のOLである主人公が、
突然行くこととなった英会話クラスによって、生き方が少しだけ変わるというストーリー。
私の個人的な視点だが、桃井さんが主演だと、どうしても桃井さんの個性が強すぎて
彼女がゆるくてもそれはそれでOKみたいな、桃井ワールド的仕上がりになる。
しかし、この作品では桃井さんが、英会話の先生に影響されたりする立場に置かれいて、
これまでのイメージがくつがえされるものだった。
エマ・ライアン・ヤマザキ監督の「Monk by Blood」は、
米国に生まれ育った若者が家族が引き継いで来た京都で寺に僧侶として新しい人生を始めるドキュメンタ リー
なのだけど。今の日本の仏教伝承にも通じる話だなと思った。
きっと日本にいる僧侶たちの中にも、AKBにはまっているって人もいるわけで。
こうした血筋として僧侶を継承すべき立場に生まれた人にとっては、現代はもっと昔よりも音楽、芸能、ゲーム、
ITの世界と身近に楽しい誘惑も多い。
「土佐の高知の はりまや橋で 坊さんかんざし 買うを見た よさこい よさこい」のよさこい節のように
女性関係について描かれていた民謡の時代に生きた僧侶よりも、手放しに楽しいことが多いから、さらに
僧侶としてだけの世界を生きるには過酷かもしれない。
映画に出てきたアメリカ育ちの僧侶は、
俗世間にも属する自分と、僧侶である自分との共存をはかるため、寝る時間を惜しんでどちらも抜かりなく
活動している。
化粧をしてママのドレスを着て、女性の恰好をしたがる男の子を描いた相川はづき監督「Reflection」は、
NYのゲイやトランスジェンダーに対するママの苦悩や周囲の対応をリアルに描いた作品だ。
私がまず疑問だったのは、「なぜ日本人の監督ならば、キャストを日本人にしなかったのか?」と、いうところ。
会場での質疑応答で、アメリカ人からも同質問を受けていた。
相川監督は「日本の社会はまだまだアメリカより、トランスジェンダーやゲイに対して社会的な立場の
確立がおくれているから」といったことを説明していた。
(※以下ネタばれなので、映画を観たい方はご注意ください)
私がどうしても気になったのは、映画の中で「私の兄もゲイなのよ」って、女の子の恰好をしたがる男の子の母親に
ママ友が言った部分。直接、相川監督に聞いてみた。
というのも、実際、私もこれをNY郊外の地元の学校で経験したことがあるからだ。
私の双子の娘たちが男の子のスタイルにはまってた時期があって、夏休み後に髪をばっさり切って、
まるっきり男の子の恰好で学校へ行ったことがあった。
私もノリで、あやをアレックス、エリカをエリックと呼んでたほど。このノリから、私がトランスジェンダーに対して
そんなに苦悩していないことは読み取れると思う。
夏休みが終わり、すぐさま学校の心理カウンセラーに呼ばれて、カウンセリングへ行った。
カウンセラーは、「自分の兄もゲイなので、こうしたことに違和感をおぼえることはない。
しかし、周りの子供たちを動揺させるので、やはり学校側としては、やめてほしい」って、言った。
その言葉を聞いた時、私は彼女の言葉をこうした堅実な社会的立場にいる人でも、ゲイに対して
オープンなのだと好意的に受けとった。
うちの娘たちは、その時、流行っていたパツパツのお尻に食い込みそうなガーリーなパンツのスタイルが
苦手で、ダボダボの男の子のパンツをはいてただけなので。
「では、Tシャツを女の子っぽいものにして、パンツは男の子用のままでもいいですか?」ということで、決着が
ついた。
映画では、ママ友が好意的に「自分のブラザーもゲイなの」と言ってくれたシーンで、主人公のママが
「うちの子は、ゲイじゃないの」って、抑圧的に反論するところはちょっと行き過ぎかなと思ったのだ。
監督によると、トランスジェンダーとゲイの違いというか、そういうあいまいな境界を描きたかったということもあり、
作品の中で母親は、自分の息子はゲイとはまた違うといった部分を主張したかったからなのだとか。
映画の最後には、あるがままの息子を受け入れようとママが決めるところで終わる。
子供をどういう風に育てるべきなのかというのは、現代はいろいろと社会の寛容がある分、かえって
親としての選択が難しくなっていると思う。
たとえば性差にしても、男の子はショートヘアで、活発であるべき。女の子はロングヘアでスカートをはいて
おしとやか。っていう基本のようなノリが基本でなくなりつつある。
こんなにいい作品が世の中にはたくさんあるのに、インディペンドな映画って注目されていないのが
残念だって、いつもこの映画祭にて思い知らされる。
NY1PAGE ヨン様風な甘いマスクのギタリスト榎本大介の音楽は最高!
- 関連記事
-
- マンハッタンでアジア系女性を殴る黒人男性について考える (2015/06/16)
- レッドアイのため眼科にて3時間も過ごした理由は? (2015/06/11)
- 第4回ニューヨーク・ジャパン・シネ・フェス トを観に行ってきた (2015/06/06)
- 人工知能AIに人類は滅ぼされるのか? (2015/05/29)
- デりのオヤジがレディーとして扱ってくれることに感謝 (2015/05/25)
スポンサーサイト
ブロマガ
ブログ内検索
プロフィール
Author:弘恵ベイリー
NYでフリーランスのライターを続けながら、NYで活躍するアーティストを応援するNY1page.comを運営。弘恵ベイリーのプロフィール執筆依頼aluchu@aol.comへ
Google AdSense1
カテゴリー+月別アーカイブ
カウンター
リンク
Google AdSense2
人気クエリー
Google AdSense3