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病院内にはムラカミタカシの絵も展示されている

アヤは相変わらず注射されるたびに泣いているが、
私はようやく慣れてきた。

いやはや慣れってすごい。

もう、アヤの腕に針を刺すことも怖くなくなった。
っていうか、最初から怖くなかったけど。。。

刺した後に、泣かれるのがつらいのだ。

あぁ~、こんなフラストレーションを感じながら、しばらくは
がんばらなくちゃーならん。

今日は、病室にいたら、

「アクティビティーがあるから、プレイルームに来てください」と係りの人から
誘われた。

オモチャやらなんかを置いてる病室の近所のプレイルームに行ってみると、
そこにいた人が「もう一つ別の棟のプレイルームよ」と教えてくれた。

いやはやプレイルームだって、いくつもあるのだ。

そこには絵本が置いてあって、
お婆ちゃんが本を読んでくれた。

物語は、ニワトリの話しだった。

アヤは躊躇していたが、徐々になれてきて、
ヒヨコとニワトリの小さな切抜きに色付け、
画用紙に農場の絵を描いて、それを貼った。

一緒に描いていた女の子は、電気の車椅子にのってやってきた。
どう見てもティーンエイジャーなのだが。。。
彼女の名前はジェイミー、17歳。

夜に、アヤと病院を散歩していたらジェイミーに偶然に会った。

ちょうど壁にかけてあるムラカミタカシの絵をみている最中だった。

彼女と少し言葉を交わし、

「これはムラカミタカシってニューヨークでも話題のアーティストが描いたものだね。彼は
日本人なのだよ」などと説明していたら、

「難解な絵だね」と、ジェイミーはあまり好きそうじゃなかった。

「じゃーまたね」などと、彼女と離れてウロウロしていると、
また途中でばったり会った。

「ハイ」と声をかけると、

「何やってんの?」と聞くので、
「お散歩」

「私も退屈だから、ウロウロしているの」

「船の場所は行った?」と聞かれ、

「うん、船の内装になってるところ行ってきたよ」

「あっちにムービーエリアがあるの」と案内してくれた。

ムービーエリアには、パフォーマーの絵みたいなのが飾ってあって、
シアターみたいな雰囲気。

読書の場所らしく、子供用の本がたくさん置いてあった。

「コンピュータールームも案内してあげるよ」

と車椅子を走らせた。

途中に、星に願い事を書いてオブジェにぶら下げている
場所があった。

日本の七夕のようだった。

「ここに願い事を書いて置いておくのよ。月に一度、教会へ持っていくの」

「あなたも書いたの?」

「うん、一枚書いたわよ」

私も書いた。

「たいてい、皆が病気がよくなるようにとかって書くのよ。
彼女はどうして入院しているの?」と聞かれた。

「そうね。他の人のように治る病気だったらいいのだけど。糖尿病って
治ることはないらしいの。インシュリンが出てこなくなっちゃう病気だから」

「一生?」

「そう、一生」

「・・・・・」

そう言いながらも、

アヤがお年寄りになってでも生きていますように。と書いてぶら下げた。

「ところで、あなたは元気そうだけど、いつ退院するの?」ジェイミーに聞いた。

「もうすぐよ。もういい加減に働かなくちゃならないから」

「どこで働くの?」

「マンハッタンのウォルマート」

「へぇ~、いいわねぇ~。マンハッタンで働けるなんて」

アメリカ人って、車椅子でも普通に仕事をしている。
車椅子に乗ったニュースキャスターだっているくらいだからなぁ~。

そういう風な環境を与えてあげられるアメリカってすごいなーって
いつも思う。

ジェイミーは、コンピュータールームを案内してくれた、

「ビデオやDVDも借りれるから。明日の朝8時からあいてるわよ」と説明してくれた。

「また明日ね」と明るく去っていった。

ワシは、
「また明日ね」を言わなくてすむ日が待ち遠しいぜ。

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Comment
アメリカのこういった環境はすばらしいですね。
車椅子の人も同じように過ごせる環境。
20年くらい前ですけど、ニューヨークのクラブにはじめて行ったとき
車椅子の人や松葉杖の人なんかも来てて、
音楽を一緒に聴いて楽しむっていう環境があるってすばらしいなって思いました。

病院内の施設もすてきです。

今日の文章から、
夜に病院の中を散歩している空気が伝わってきました。

アヤちゃんのことを書いた弘恵さんの文章に
涙が出ました。
アヤちゃん、注射辛いけど頑張ってますね。
久しぶりにBlogを拝見したら、あやちゃんが入院されているとのこと。心が痛みます。
注射や検査,つらいだろうに頑張ってますね。
早く血糖がコントロールされて、元気にお家に帰れますように!
はじめまして
初コメント失礼します。
「NY1PAGE」の<<美代子のNYで活躍する日本人ダンサー>>からこのブログに飛び、たまに読ませていただいていました。

私も中学の時に1型糖尿を患い、それ以来インシュリンを打っているので、他人事とは思えず、コメントさせていただきました。

運動療法からダンスにはまり、34歳の現在、元気いっぱいで毎日踊っています!
仕事もWEB関連の好きな仕事に就き毎日充実しています。

慣れるまでは不安やあわてることもあると思いますが、上手に付き合えば他の人と変わりなく、むしろ充実した人生になると思っています!
お互いがんばりましょう!

勉強
>松さん
そうそうハーレムでも
車イスにのった爺ちゃんがバーで踊ってたりしました。私も一緒になって踊ったな。
>あきよさん
コメントどうもありがとうございます。血糖値のコントロール、まだまだうまくいかず。。。早くなれなくては。って感じです。
>yaeさん
ダンスやってるんですね。アヤもダンスを好きになってくれるといいなーって思ってます。3人もいるんだから、1人ぐらいはダンスうまくなってほしいです。

日本にはインシュリン注射の針もものすごく細いものがあるようで。そういう点で技術的には日本が進んでますよね。絶対に食事の制限とかも日本が進んでると思います。

1型の方の前向きなコメント、いつも支えられてます。
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紹介文:NYにてITエンジニアとして働きながら、ライターやTV,ラジオなどメディアのリサーチ業も行っています。NY在住の日本人エンターテイナーが活躍する、音楽、映画、カルチャーの記事を満載のNY1PAGE.comも運営。

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NYでフリーランスのライターを続けながら、NYで活躍するアーティストを応援するNY1page.comを運営。弘恵ベイリーのプロフィール執筆依頼aluchu@aol.comへ

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